第七代宗家

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大塚龍之介平政智は北辰一刀流兵法の第七代宗家で、当流の現宗家である。

ドイツ・ミュンヘン生まれ、本名はレッシュ・マルクス。幼少期より武道や日本に興味を持つ。ミュンヘン市内に古流剣術の道場がなかったため夢想神伝流居合道を習い始めたが、居合道では実践応用が見つからないと早い段階で感じ、本物の古流を学ぶため渡日することを決意。長年続けたアーチェリーは130ポンドのロングボウ(長弓)を使いこなせたが、日本で剣術修行に没頭するべくこれを機に辞めた。

日本に到着して間もなく、北辰一刀流辰明会道場館長並びに免許皆伝である大塚洋一郎平政徳の門人となる。その後、非凡な才能と流派への忠誠心を認められ、大塚洋一郎の内弟子として受け入れられる。北辰一刀流の技の向上に努めると共に、日本語習得にも日々励んだ。

帰国するにあたって大塚洋一郎より許しを得て、生まれ故郷のミュンヘンで同好会を立ち上げた。北辰一刀流の全技と流儀を習得した後、平成25年1月に道場を開くための許可(道場目録)とともに免許(中目録)という当流で四つ目の巻物を授けられる。同年7月に行われた大塚洋一郎の第六代宗家就任報告に伴う演武の際には、大塚洋一郎とともに演武を披露。同年10月、様々な撃剣試合に勝ち抜いた結果として、大塚龍之介は当流の最高師範に認められた。

その後、北辰一刀流兵法の極意を修めた平成26年7月12日、第六代宗家大塚洋一郎より免許皆伝(大目録)を伝授。加えて、大塚龍之介平政智という名を与えられ、大塚洋一郎の道場養子として迎えられた。同月、ミュンヘンで千葉道場の門戸を開くべく、日本らしい道場へと改修工事を施工。新道場完成の際には老齢にもかかわらず、第五代宗家千葉弘が視察訪問に駆けつけた。

平成28年3月26日、大塚龍之介は第六代宗家大塚洋一郎より第七代宗家を允許され、北辰一刀流兵法第七代宗家に就任。襲名披露は東京中野のサンプラザホテルにて執り行われた。日本古流武術史上初の外国籍宗家である。大塚洋一郎は大塚龍之介を次代宗家に允許した理由を「卓越した剣の腕前はさることながら、歴史への豊富な知識と深い洞察力により、高度な教授能力を備えております。確かに日本人として生を受けてはいないものの、礼節を尽くし道を究めんとするその真摯な態度はまさに日本人そのものです。」と襲名披露式で述べている。

現在、大塚龍之介は北辰一刀流兵法の門人でもある日本人の妻と息子と共にミュンヘンに住み、千葉道場を営んでいる。元祖千葉周作の継承者として北辰一刀流兵法を国際的に広めることを自らの使命として、毎年日本のみならず数カ国へ訪問し、精力的に後進の指導にあたっている。