第七代宗家



大塚龍之介平政智は、北辰一刀流兵法の第七代宗家(現宗家)である。

ドイツ・ミュンヘン生まれ、本名はマルクス・レッシュ。幼少期より武道や日本の文化に興味を持つ。長年続けたアーチェリーは130ポンドのロングボウ(長弓)を使いこなせたが、剣術修行に没頭するべくこれを機に離れた。ミュンヘン市内に古流剣術の道場がなかったため夢想神伝流居合道を習い始めたが、居合道では実践と応用が身につかないと早い段階で感じ、本物の古流を学ぶため日本への移住を決意。

平成22年、日本に到着して間もなく、東京で北辰一刀流辰明会道場の館長並びに免許皆伝であった大塚洋一郎平政徳の門人となる。その後、非凡な才能と流派への忠誠心を認められ、大塚洋一郎の内弟子として受け入れられた。北辰一刀流の技の向上に努めると共に、日本語も習得し流暢な日本語話者となる。

平成25年7月に大塚洋一郎は、第五代宗家・千葉弘平政胤の命を受け北辰一刀流兵法第六代宗家に就任。就任に先駆けて行われた演武は、大塚洋一郎と、当時中目録(免許)であった大塚龍之介によって披露された。
同年10月、数々の撃剣試合に勝ち抜いた末、大塚龍之介は流派の最高師範と認められる。

平成26年7月12日に大塚龍之介は、第六代宗家・大塚洋一郎より免許皆伝(大目録)を伝授された。当時、相続人および後継者として最も適していた大塚龍之介は、大塚洋一郎の道場養子として迎えられた。こうして、正式に名前をマルクス・レッシュから大塚龍之介平政智に改名。

平成28年3月26日大塚龍之介は、第六代宗家・大塚洋一郎と第五代宗家・千葉弘の命を受け、北辰一刀流兵法第七代宗家に就任。襲名披露は、東京中野のサンプラザホテルにて執り行われ、大塚龍之介は日本古流武術史上初の外国籍宗家となった。その後、大塚洋一郎は正式に引退。現在は、大塚龍之介が国内外で流派を指揮。

大塚龍之介はドイツへ帰国していたので、第七代宗家就任後、千葉道場を東京からミュンヘンへ正式に移した。現在では、世界中にある北辰一刀流兵法の本部となり、自身が館長として千葉道場を指揮。東京の旧千葉道場は、二つの稽古場「北辰会」「星王会」に再編され、大塚龍之介に師事する二人の師範代が指導にあたる。

流派の開祖千葉周作の継承者として、大塚龍之介は北辰一刀流兵法を国際的に広めるため、毎年国内外での指導に従事している。