第五代宗家

Chiba Hiroshi Taira no Masatane

千葉弘平政胤は、北辰一刀流兵法第五代宗家で、千葉本家の当主。1820年代に開祖千葉周作と共に北辰一刀流兵法の創設と発展に心血を注いだ、弟千葉定吉(初代宗家)の直系子孫である。

北辰一刀流兵法は流派の創設以来190年余にわたり、宗家の座は千葉家の中で代々守り受け継がれていたが、公の場での教授や稽古など技の伝授は、昭和初期以降他の師範系列で各々に行われていた。千葉本家の当主である千葉弘は、辰明会道場(大塚家)、東武館(小澤家)、小樽玄武館(小西家)の3つの師範系列から、技の伝授を含む流派の一切の責任を大塚家に譲り渡した。

2013(平成25)年7月1日、千葉弘が大塚洋一郎政徳を北辰一刀流兵法第六代宗家として允可し、大塚洋一郎が北辰一刀流第六代宗家となった。千葉弘は第五代宗家として、また大塚洋一郎は第六代宗家並びに千葉道場館長として、1848(嘉永1)年、江戸桶町に作られた、かの有名な千葉道場を二人で再興したのである。

千葉弘は宗家の座を譲渡した現在も、大塚家と親密な交流を続けている。2016(平成28)年3月26日、大塚龍之介政智の第七代宗家襲名の際には、北辰一刀流兵法特別顧問でもある姪の稲岡麻衣と共に、襲名披露の儀式を執り行った。

現在は日本と海外六カ国にある北辰一刀流兵法の道場・稽古場・同好会への視察を頻繁に行うなどして、引き続き流派の活動を支援し続けている。